近年若年層に増加傾向にある『転職』

「転職」という言葉がどの業種・職種に関しても浸透してきている現在の日本社会ですが、これは当然医師にも当てはまり、特に若いうちに転職を試みる医師も年々増加傾向にあります。

医師は経験を積むことが重要であるという認識は医療の世界でも、そして世間一般にも当然のように広がっているわけですが、まだ経験が浅いと感じられる20代の医師の転職も、近年では増えてきているようです。

20代の医師が転職を決意する理由はさまざまあるものの、その転職事情は決して恵まれたものではないのかもしれません。

医師転職に対してネガティブなイメージを持つ、言ってみれば少々時代遅れの高齢医師たちも少なくない中、若い医師が転職することに対しては、上で触れたように「経験が浅い」、「厳しい環境から逃げているのではないか」というレッテルを貼られてしまうことが多々あるのです。

転職する際にその医師と面接を行い、そして採用するか否かを決めるのは、まさにこの年代の医師たち。
まだ医局で学ぶことがあるにもかかわらず転職をすることに対して厳しい目で見られてしまうのは仕方がないことなのかもしれません。

医師転職を試みる若い人が増えてきているとは言っても、全体に占める割合で見れば、まだまだ少数派。
世代間ごとの価値観を埋めるのも容易ではないため、この点に、20代の医師の少し厳しい転職事情が見え隠れしていると言えそうです。

一方で、若いうちから自らの意志で行動し、厳しい転職事情の中でもそれを決意する医師のことを評価する人もいます。
若い医師は体力もありますから、積極的に採用したいと考える医療施設も少なくないでしょう。

もし、医局から逃れたいであるとか、当直などが無い楽な環境で働きたいという後ろ向きな理由ではなく、新たに勉強したい分野が見つかったり、働いてみたいと強く思えるような病院などと出会ったりしたことで転職を決意したのであれば、その信念を貫く方が自身のキャリアプランを構築するにあたってもプラスに働くはずです。

医療機関にて医学生/研修生/若手医師向けの研修プログラムなども積極的に行っているので参考にしてみて下さい。
http://intmed2.w3.kanazawa-u.ac.jp/todoctors/


若い医師にとって心強い「転職キャリアコンサルタント」の存在

やはり20代ということで不安も大きいのか、転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談する医師も少なくありません。
コンサルタントからのアドバイスを受けながらキャリアプランを設定し、あるいは見直しながら転職活動を進めていくことは、若い医師にとっては非常に有意義なものとなるはずです。
引用:転職コンサルタントが語る医師求人の最新事情【2017】

夢を追うことはとても素晴らしいことですが、現実とも向き合わなければ転職は成功しません。
独立し開業するにしても、医師の場合には気合いだけでは難しく、そこには確かな経験がなければならないわけですから、若いうちの下積みなどは欠かせないでしょう。

それも含め、自らのキャリアをどう構築していくのかを何度も熟考し、そして本格的な転職活動へと踏み出すことをおすすめします。

「現在の環境から抜け出したい」という転職理由は評価されずらい

医師が転職を決意するとき、そこには必ず何かしらの理由が存在しているはずです。
医師は非常に特殊な職業であり、どの仕事と比べても時間外労働が非常に多く、また、大学病院の医局に属している若い医師は、そのヒエラルキーの中で思うような仕事ができず、肉体的にも精神的にも疲労してしまうという現状があります。
当然、その環境から抜け出したい一心で転職を決意する医師も少なくはないでしょう。

しかし、20代の医師が今挙げたことを理由に職場を移すことは、少なくともこの業界の中ではあまり受け入れられるものではありません。
医局のヒエラルキーのトップに君臨している医師たちは、特にその厳しい環境を乗り越えそこにたどり着いた人たちですから、現在の環境から逃げ出す若い医師のことを評価することは決してないでしょう。

中には快く送り出してくれる上司もいるかもしれませんが、それはポーズであり、退局を喜ぶ医局の医師は皆無と言ってもいいほどです。

正当性の高い転職理由とは

20代の医師が転職を決意するとき、最も正当性の高い理由となるのは、やはりスキルアップやキャリアップなど、自らの腕を磨くために別の医療施設に移りたいという意志によるものではないでしょうか。

大学病院にいれば、小さな施設と比べ症例も多く設備も整っています。
指導してくれる医師たちも多数いるわけですから、これ以上に自らのスキルアップに役立つ環境はありません。

しかし、分野や領域によっては、民間の病院の方が専門的な診療を行っていることも多く、診療所やクリニックなどであれば雑用ではなく実際に自らの手で診療に携わり、若いうちから経験値を上げることが可能である環境も少なくはないでしょう。

そうした医療施設に狙いを定め転職を考えるのであれば、これは自身のキャリアにとっても英断であると言えるはずです。

正当性のある転職理由をしっかり考える

働きに見合った収入が欲しい、当直やオンコールに体がついていかない、結婚しており子供の教育環境などのことを考え働く地域を変えたい…。

こうした理由も決して正当性がないとは言いませんが、20代の医師の場合には、少なくともそれを医局長などに伝えたり、あるいは新たに応募した医療施設に伝える動機としてはどうしても弱い印象が拭えません。

なんのために医局を辞めてまで転職しようとしているのか、それをしっかりと考える必要があります。
転職のハードルが下がっているからこそ、医局も各医療施設の人事も若い医師には厳しい目を向けるようになってきています。
それを乗り越える強い意志があるのであれば、自らのスキルアップのために動き出してみてはどうでしょうか。